自宅にお迎えしてから、セキセイインコが新しい飼育環境になれるには時間が必要になります。
この時間は個体差によるものが大きく影響しますので、目安をつけるのは難しいです。早ければ初日からエサを食べる個体もいれば、3日間もまったく餌を口にしない個体もいたりします。また、育てられ方次第では全く人に慣れていない個体もいます。
ここではセキセイインコをお迎えしてから慣れるまでに注意したいポイントをまとめます。
セキセイインコが慣れている状態
最初に新しい環境で人慣れしている状態がどのようなものか説明します。
ケージ内でエサを食べて遊んでいる場合で、飼い主がアクションを起こしたときにセキセイインコが以下の状態のとき良好な関係が築けているといえます。
- 飼い主のケージ越しの声がけにセキセイインコが近寄ってくる。
- 飼い主がケージ越しにエサをわたすと食べてくれる。
- 飼い主がケージの近くにいてもセキセイインコが固まらない。
これらはセキセイインコが人に慣れてきている行動ですので問題ありません。引き続き声がけ、コミュニケーションをとっていけばさらに関係を深められます。
次からはお迎えして問題があるケースについて説明します。
セキセイインコがエサを食べない
これはお迎えした直後に起こることですが、新しい環境になり、お迎えした個体によっては緊張により2~3日も全くエサを口にしないということもあります。
エサを食べないことを飼い主が心配するあまり、逆にかまいすぎると、さらにセキセイインコが緊張してエサを食べなくなることにもなりかねません。
単純に新しい環境に慣れていないだけなのか、またはセキセイインコが緊張する原因があるのかもしれません。
ひととおりケージ周りの環境を見渡してセキセイインコが反応する物がないか確認しましょう。
また、飼い主の存在が安心できるものとして認識させる必要がありますので、セキセイインコの視界には入るようにしてあげることが大切です。
飼育環境で問題がなく体調も悪そうでなければ、遅くとも2~3日中にはエサを食べると思います。エサを食べるまで次の対応をしてみてください。
- ケージの配置場所がうるさい場合、静かな場所へ移動する。
- エサ、水の交換以外はケージより離れる。
- セキセイインコは遠目で見るようにして、飼い主は視界に入る程度にとどめる。(近づきすぎない)
- 大きな声や音を聞かせないようにする。
ケージのエサ、水の交換などセキセイインコに近づく場合は、静かに声がけしてください。
セキセイインコがエサは食べるが人に慣れない
エサを食べている段階で新しい環境には慣れてきていると思われますが、以下に該当するときは人に慣れていないことが原因です。
- 飼い主が声がけをするとケージ内を飛び回って逃げる。
- 飼い主が近づくとケージのすみへ逃げて固まる。
- 飼い主が近づくとセキセイインコが威嚇したり激しく鳴き声をあげる。
ショップで育てる際、人に慣れさせていないときにこのような状態になります。強引に距離をつめるとさらに関係性が悪くなることが考えられますので、時間をかけてつきあってください。
慣れるまではセキセイインコの反応をよく観察して徐々に近づきましょう。
- セキセイインコを遠目で見るようにしてあまり近くに居続けない。
- たまに静かめに声がけをする。(反応を観察)
- 大きな声や音を聞かせないようにしてセキセイインコを驚かせない。
慣れのトレーニング
1.声がけ
- セキセイインコの名前を静かに呼ぶ。
- セキセイインコが発した鳴き声をまねてみる。
OK:セキセイインコが返事する。飼い主の方に近づく
NG:セキセイインコがその場で固まる。(警戒中)
2.ケージに近づく
ケージの近くで読書やスマホをして、たまにセキセイインコに向いてみる。
OK:セキセイインコが近づく。毛づくろいをしたりやおもちゃで遊ぶ。
NG:ケージのすみへ逃げて固まる。
飼い主がケージのに近くにいるときにセキセイインコがずっと固まっていたら、いったんその場から離れましょう。
3.ケージ越しのコミュニケーション
ケージの近くに行ってもセキセイインコが固まっていないようなら、ケージ越しにコミュニケーションをとりましょう。
- ケージ近くで名前を読んだり、セキセイインコの鳴き声を真似してみる。
- ケージ越しにおやつをあげる。
NG:無反応ならまだ早いようです。
※緊張しているかの判断はセキセイインコが固まっていないかです。
トレーニングで少しづつ改善されれば人慣れする可能性も高くなりますので、あきらめずに頑張りましょう。全く人に慣れていない荒鳥ですら、根気と愛情を持って人のやさしさを伝え続ければ慣れます。
セキセイインコの病気の判断方法
お迎えしたセキセイインコが病気の可能性も考えられますので、次の状態のときは病気と疑って病院へいくことも検討してください。特にお迎えした直後でエサを食べていないと体力を消耗しますので、早めに対応してください。
- 寒くないのに常に膨らんでいる。(室温26~28℃)
- 床に伏せたままの状態
※病気だとわかったら30℃で保温してください。