インコは色鮮やかで、外で見かけたらあきらかに日本の野鳥とは姿・色合いが違うので、インコとして見分けがつくでしょう。
外を歩いているときに、突然インコが肩に乗ってきたり、インコが庭先にじっとしているなど遭遇する場面もそれぞれです。大抵は迷子になっておなかをすかしたり、夏場の暑いときや冬場の寒いときなどの環境によってはあまりインコが行動できないこともあります。
インコ(鳥)を飼ったことがある方や知人が飼っている方なら、そのようなインコとの遭遇は迷い鳥としてすぐに理解できると思いますが、インコを知らない方からすると、インコがなついて近づいてきても、その行為に怖がって敬遠する場合と、その行動にかわいらしさを感じる場合に分かれると思います。
そもそもインコはペットとして屋内で飼われる事がほとんどですから、外で遭遇するということはインコが迷子になってさまよっている状況で異常な事態となります。
インコが見知らぬ人であってもなついてくるようなら、間違いなく飼い主が存在して手乗りになるくらい大事に育てられているのです。きっと飼い主さんも必死になってインコを探しているでしょう。インコにとっても飼い主さんにとっても、離れ離れになることは大変不幸なことです。
たまたまインコに遭遇した場合、インコの飼い方がわからないときは、インコを飼っている知人に相談したり、近くにペットショップがあれば相談してみるのはいかがでしょうか。状況によっては、飼い主さんが現れるまで一時的に預かってもらえるかもしれません。インコは餌を食べても蓄えられませんので、長い時間何も食べていないと命に関わります。
迷子になったインコを保護していただいた方から、ポスター・チラシ・インターネットの掲示板・警察に届けをだしてからの情報で飼い主さんの元に戻っているインコも多くいます。
外でインコとバッタリあってしまったとき、インコを保護していただけたら、小さな命を救うことにもなり、そのインコの帰りを待っている飼い主さんもきっと喜んでくれると思います。
インコを保護されたら可能な範囲で対応していただけると助かります。
<インコと遭遇したときのまとめ>
1.インコの捕まえ方
- 少し離れたところで口笛や声がけ(大きな音は厳禁)で反応するか様子を見る
- 逃げそうもないとき、インコのそばまで近づいてから指を近づけてみる
- 指で反応が無いなら腕を近づけてみる
- 指や腕に止まったら、かごやプラケースに誘導する。(手で捕まえようとすると逃げます)
※人なれしているインコは驚かせなければ逃げる可能性は低いです。
2.インコを保護したときにすぐにすべきこと
(1) エサ、水を与える
迷子になってお腹を空かしています。インコをかご(なければ、箱やプラケース)に入れて、インコ用のエサと水を与えてください。
エサは、ペットショップの他にも、スーパーやホームセンターなどで売っています。人間の食べものを与えると、病気の要因になったり、ものによっては命の危機に及ぶものもありますので、絶対にインコに与えないでください。(小松菜などの青菜でしたら与えても良い物もありますが、弱っているインコにはエネルギー源が必要ですので、穀物類を最初に与えてください。下のほうのインコの飼い方を参考にしてください。)
どうしても鳥の餌が調達できない場合、次のうちどちらかを与えてください。ただし、長期で与えると栄養バランスが悪いですから早めに鳥用の餌を調達していただければと思います。
- 生米を小さめに砕いたもの(炊いたものはNGです。)
- バナナ(フルーツの中ではエネルギー源となる食べ物です。)
※エサを与えてもインコが食べない場合、警戒しているかもしれません。その場合は、遠目で見るようにして、インコをそっとしておいて様子をみましょう。
(2) インコの体調を確認する
インコは、体調が悪いときに羽毛を膨らませて体温が下がるのを防ぎます。部屋の温度が低くないのに、常にインコが膨らんでいたら病気や衰弱が考えられます。保温が必要ですので、30℃を目安で温めてあげてください。それでも膨らんでいる場合、深刻な状態かもしれませんので、できれば鳥の動物病院に連れて行っていただけると助かります。
怪我なども同様に保温が必要です。
詳しく知りたい方は、インコの飼い方で説明しています。
http://inkosuki.info/kaikata.html
3.飼い主が見つかるまでの飼育
- 自宅で飼育する。(経験が無ければ飼育方法を調べる必要あり)
- インコを飼っている知人に相談して預かってもらう
- 最寄のペットショップに相談して預かってもらう
- 保護していただける方を探す(近所、警察署、インターネット)
いんこだよりの保護掲示板で保護主様を募ることも検討してください。(近隣の方限定で、警察への連絡を忘れずに行いましょう。あくまでも代理保護ですので、飼い主様が見つかったら返さなければいけません。)
※インコを飼ったことが無い場合、無理をして飼わない方が良いです。なるべく経験のある人にお願いして飼っていただきましょう。
4.飼い主を見つける方法
(1)最寄の警察署、交番への拾得物の連絡
インコが迷子になってから日数が経っていたり、飛翔能力の高い中型インコ(オカメインコなど)の場合、長距離を移動します。可能であれば届出の範囲を広げていただければと思います。(警察内部では情報共有されていません)
※警察署では、3ヶ月保管となっています。期限を過ぎると保護されていた方に所有権が移譲されます。
地域によっては断られる場合があるかもしれません。その場合は、少し離れていても警察署を変えて連絡してみてください。どう対応していいわからない場合、いんこだよりまでご連絡ください。 ->contact_us@inkosuki.info
(2)ご近所に相談してポスターを貼らせてもらう
(3)インターネットでインコの保護情報を発信する(保護掲示板サイト、twitterなど)
(4)最寄の施設に連絡
ペットショップ、ペット保護センター、動物病院、ホームセンター、保健所、役所、動物園、自治体など
(5)足輪(足環、リング)の情報
インコ個体の識別情報の他、飼い主が電話番号を刻印していることもある
<お願い>
残念なことですが、インコの飼い主でない方が名乗り出ることがあるようです。目的はそれぞれあるようですが、飼い主が現れたらインコの特徴を聞き出してご本人か確認していただければと思います。
<追記>インコの判別方法はインコを飼った経験が無いとなかなかわからないものです。素人判断で判別するのではなくインコに詳しい方に相談するか経験者に判断を委ねてください。
(参考)
・保護された時に外見上に違いが出る場合がある。(抜け羽、怪我など)
・保護された直後は以前のような鳴き方をしないケースが多いです。(環境の変化によるものや迷子になったショックなどによる影響)
インコを知らなかった方が、インコの保護を通じてインコの魅力に惹かれて、飼い主も探さずにそのまま飼ってしまうケースもあるようです。保護したインコは、そのほとんどが帰る家があります。インコの帰りを飼い主さんはあきらめずに待っていることをご配慮いただければと思います。
別れ離れになっているインコが飼い主さんの元に戻れることを切に願っております。
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